マイナンバー制度の正しい認識と本当に気を付けるべきこと

マイナンバーとは?

施行されたから早2年弱のマイナンバー制度ですが、未だによくわからない制度だなと思われる方も多いと思います。
今回はマイナンバーから財産や資産状況がどのくらい把握されてしまうのかについて確認をしてみます。

では、マイナンバーとはどのようなものでしょうか?
マイナンバーというのは、住民票が全国の市区町村にある一人ひとりの国民に、異なった12桁の番号を付けたものです。
一生この12桁の番号は同じで、犯罪などに使われる可能性がある場合など以外は変えることができません。

私の推測ですが、マイナンバーカードを保有されている方はほとんどいないと思っています。
「全員に配れているはずではないのか?」と思われる方もいるはずですが、
皆様のご自宅に届いたマイナンバーはマイナンバーカードではなく、マイナンバー通知カードです。

マイナンバーカードというのは、クレジットカード程度の大きさのカードで、
市区町村の窓口で希望すると取得することが出来ます。
カードにはICチップが入っており、住所、生年月日、顔写真が表面に表示され、
裏面にマイナンバーが記載されています。
これまでの住基カードの代わりになるもので、マイナンバーカードを取得する場合には、住基カードを返す必要があります。
身分証明書としてもマイナンバーカードは使用可能です。

また、マイナンバーでは以下の情報が管理されています。

・本名
・住所
・年齢
・性別
・扶養親族の給料
・副業の収入

なお、副業の収入の場合は、きちんと副業先が書類を市区町村や税務署に出している場合に限定されます。

マイナンバーで財産金額がバレるの?

マイナンバー制度導入の目的は、「①国民の税や年金雇用保険などの行政手続きに必要だった添付書類が削減され、これらの手続きで皆様の利便性が高まります。また、②行政事務の効率化や③公平な各種給付の確保などが実現出来ます。」ということです。
つまり「国民の皆様には今まで行政手続きに必要だった書類が少なくなるし、生活実態などもわかるので給付がもらえないといった様なことはなくなる素晴らしい制度ですよ!」と言っているのです。
もちろんそれもあるのでしょうが、真の目的は国民の個人情報を一元化することで一人一人の管理をしやすくするためとも言われています。
確かに管理する側としては番号を入力しただけで、家族構成やら所得やら全てわかるので大変ありがたいです。

では、マイナンバーで自分が持っている財産や資産は分かるのでしょうか?
ここでは、それぞれの財産や資産についてご紹介しましょう。

銀行の預金口座

平成30年を目処に、銀行の預金口座にもマイナンバーの登録が予定されています。
政府の話によると、基本的に銀行の預金口座の登録は任意になっています。
ただし平成33年には登録が義務化されるとも言われています。
利用目的は、基本的に生活保護の資産調査や税務調査などに限定されるようです。
従って普通に生活をしている以上、国に知られるということは無いようです。

不動産

マイナンバーでは、不動産を持っていることに関しては届けるように現在はなっていません。
しかし、マイナンバーが、不動産を法人に個人が売ったり、賃貸したりする場合は必要になります。
そのため、税務署などに不動産の一部については掴まれるようになります。
ただし、登記簿謄本はお金を払えば誰でも閲覧できるようになっているので、
誰が保有しているという情報やいつ売買が行われたかなどは国だけでなく我々国民全員が把握出来ます。
ですから不動産の場合、あまり影響はありません。

有価証券

証券会社に口座を開設している場合は、マイナンバーを証券会社に2018年末までに届け出る必要があります。
新しく証券口座を平成28年1月以降に開設する場合は、マイナンバーを届け出ることが必要です。
持っている有価証券などの情報は、税務調査などがあると2019年以降は全て分かるようになるでしょう。

たんす預金

たんす預金の場合は、これはそもそも制度の話を超えています。たんす預金をわざわざ銀行口座に振り込んだら把握されますが、
そうじゃない場合は税務調査が来る以外には見つかりようがありません。

財産金額が全てわかってしまいそうな気がするが…

ここでご紹介したように、現時点においては、マイナンバーから財産や資産の状況が全て分かるというような状況ではありません。
平成30年からは銀行も導入とされているので多少不安がありますが、そもそもマイナンバー制度があろうが無かろうが、
税務署などは何かあればその権限で財産の把握はいくらでも出来るので、後ろめたいことがある人はいまでもバレますし、
そうでない人は今後マイナンバー制度がどうなろうと問題ないです。

どちらかというと国や税務当局よりもマイナンバーを利用した詐欺による情報流出が横行しているので、そちらの方を気にされていた方が良いかと思います。

 


タグ一覧