人気企業の過去と今
世の中には毎年様々な調査結果の発表がありますが、
今回はその中で、人気企業ランキングを紹介します。
株式会社マイナビ(旧社名:株式会社毎日コミュニケーションズ)では、
毎年大学生の就職人気企業ランキングを発表しています。
男女別のデータや文系・理系別のデータがあります。
単年だけ見てもとても参考になる資料なのですが、
過去と比較してみると、とても興味深い発見があったりします。
今回は文系・理系別の総合人気企業ランキングを15年前(2003年度)と今(2018年度)を、
比較してみようと思います。
2003年度 文系総合ランキング 2018年度 文系総合ランキング
1位 JTB 1位 全日本空輸
2位 トヨタ自動車 2位 JTBグループ
3位 JAL 3位 日本航空(JAL)
4位 ソニー 4位 三菱東京UFJ銀行
5位 サントリー 5位 東京海上日動火災保険
6位 全日本空輸 6位 三井住友銀行
7位 資生堂 7位 エイチ・アイ・エス(HIS)
8位 伊藤忠商事 8位 みずほフィナンシャルグループ
9位 電通 9位 損害保険ジャパン日本興亜
10位 近畿日本ツーリスト 10位 伊藤忠商事
(出典:株式会社毎日コミュニケーションズ (出典:株式会社マイナビ
2003年度大学就職人気企業ランキング調査結果発表) 日本経済新聞新卒採用広告特集)
2003年度 理系総合ランキング 2018年度 理系総合ランキング
1位 ソニー 1位 ソニー
2位 トヨタ自動車 2位 味の素
3位 本田技研工業 3位 資生堂
4位 資生堂 4位 明治グループ
5位 サントリー 5位 サントリーグループ
6位 旭化成 6位 トヨタ自動車
7位 NEC(日本電気) 7位 東日本旅客鉄道(JR東日本)
8位 武田薬品工業 8位 カゴメ
9位 NTTドコモ 9位 アサヒビール
10位 キャノン 10位 東海旅客鉄道(JR東日本)
(出典:株式会社毎日コミュニケーションズ (出典:株式会社マイナビ
2003年度大学就職人気企業ランキング調査結果発表) 日本経済新聞新卒採用広告特集)
時代による人気企業の変化
文系のランキング
時代で比較をすると、文系は15年前も現在もJTB、全日本空輸、JALが不動の人気と言えます。
また、2003年度10位に近畿日本ツーリスト、2018年度7位にHISが入っているところから、
航空会社と旅行代理店は業界としてここ15年は人気であると言えます。
一方で、文系のランキングでの大きな変化は、15年前には1社もランクインしていなかった、
金融機関が2018年度ランキングでは5社も入っているということです。
これには色々な理由があると思われますが、
最近は大手メーカーが崩壊しかねない事件も複数起きていますので、
大手という看板以外にもさらなる安定性を求めて金融機関への志望が増加しているのではないかと予想されます。
理系のランキング
続いては理系のランキングです。何とソニーが15年前と変わらず首位です。
もちろん15年連続ではないのですが、圧倒的な人気だと言えます。
その他、資生堂、サントリー、トヨタも相変わらず上位に食い込んでいます。
文系と違い理系の場合は人気業種の大きな変動はありませんでした。
理系学生の場合、エンジニアやシステムなどの専門職での採用が多い為、
会社の経営状況や相場観で会社の良し悪しを決めているのではなく、
専門性を生かした仕事が出来るということや技術を持っている会社に
惹かれるのではないかと思います。
「技術があれば、会社がダメになっても何とかなるだろう」
と、考えている学生も多いのかもしれません。
やはり手に職があるというのは、良い事ですね。
これからの人気企業は?
理系学生の志望は大きな変動はありませんでしたが、
文系学生の志望は変化していました。
今後はどうなってゆくのでしょうか。
やはりこの流れで大手の安定した会社が人気であることは間違いないのですが、
その中でも福利厚生が良く、ライフワークバランスを充実させ、
女性の支援も手厚い会社が評価されるのだと思います。
労務環境が以前よりも厳しくなっている昨今、
企業側も採用には困っている様ですが、
逆に会社の体制を大きく変えるきっかけになるかと思います。
急成長を遂げているIT業界の企業では、
既に福利厚生やライフワークバランスを充実させているところもあります。
こういった会社が将来さらに大きくなり、ランキング上位に入ってくるかもしれません。
15年後のランキングが楽しみです。