今年のボーナスは上がるのでしょうか?

ボーナスのはじまり

12月に入り、そろそろ年末に向けての準備が始まってきます。
12月決算の会社も多いので、ラストスパートで忙しい方もいらっしゃいますが、
忘年会やクリスマスなど年末ならではの楽しいイベントがあるので、
ウキウキしている方も多いのではないでしょうか。

そんな中で最もサラリーマンのテンションが上がるイベントがボーナス支給だと思います。
日本では年2回ボーナスが一般的ですが、このありがたい制度は、
いつから取り入れられている制度なのでしょうか。

ボーナスの歴史は古く、江戸時代から存在していたと言われますが、
記録で残っている最古の事例として、
日本でボーナスを支給した会社は三菱会社と言われています。
三菱会社と聴くと、三菱商事あたりを想像してしまいますが、
この三菱会社とは今の日本郵船株式会社です。

日本郵船は元々土佐藩が経営していた九十九商会を、
廃藩置県の際に岩崎弥太郎が払い下げて始めた会社だそうです。
明治初期に海外との激しい価格競争に勝利した際に
「この勝利は社員奮闘の賜物なので、年末に賞与を支給しよう!」
ということがボーナス始まりの様です。

しかし、あくまでも単発的なものであり、
現在の一般的な企業の様な定期的なボーナス支給ではありませんでした。
この様にかなり古い時期からボーナスは存在していたのです。

 

2017年末のボーナスは?

ボーナスの背景なんかよりも、気になるのは今年のボーナスの金額です。
一般財団法人 労務行政研究所によると、
東証1部上場企業205社の年末賞与・一時金の妥結水準金額は単純平均で、
717,898円だそうです。

ちなみに2016年末平均は718,124円で2015年末平均は732,888円でした。
各年度調査企業数が違う為、一概に比較することは出来ないのですが、
その要素を除いてもここ3年はほぼ横ばい、
もしくは少し下がっていると考えて良さそうです。

アベノミクスと呼ばれる金融政策が功を奏して、
日経平均株価はついにバブル崩壊後の高値を更新しました。
しかし、一方では全くその実感がわかないという声を多く耳に入る理由は、
一部ここに出ていました。

 

給料やボーナスが上がらない理由

今年に入ってから失業率の低下や会社の増収増益の記事を見ることが多いです。
これは少なからずアベノミクスの効果があったと言えると思います。
しかしなぜ給料やボーナスが上がらないのでしょうか。

まず失業率の低下についてですが、
失業率は、2017年11月現在では賃金上昇の目安となる2%台に入っています。
しかしこれで賃金上昇になるかというと疑問符が付きます。

1990年代後半においての失業率は、雇用の大半が正規雇用の数値でした。
しかし近年は非正規雇用も増加しており、
非正規雇用の場合も完全失業者からは外れます。
当然正規雇用よりも賃金は低いため、
失業率が下がったといっても、あくまでも安い賃金で雇用された人が増えただけで、
高い賃金を支払う正規雇用の人数が増えてくるとは、いえないのです。
つまり、賃金推移の予想として失業率を見るのは、
あまり適切ではなくなってきたということです。

また会社が儲かっているのに給料やボーナスが上がらない理由は、
会社がお金を出し渋っていることが原因の1つにあります。
日本経済新聞社の発表によると、
2017年9月末の企業が貯め込んでいるお金の残高(利益剰余金)は、
上場企業の56%が過去最高額に達したそうです。

なぜそんなに貯め込むのかという理由について、
企業側のコメントとしては「技術革新や設備投資のため」といった様な攻めの姿勢を見せていますが、実際はよくわかりません。
もしかすると「またリーマンショックの様な事が起きたときに備えて」といった守りの姿勢なのかもしれません。

従業員側としては攻めて成功して業績がさらに上がってもまた貯め込むなら、
倒産しない程度のお金だけを残して、
あとは給料やボーナスに還元してもらいたいものです。

ここにきてボーナスを最初に支給した岩崎弥太郎の「社員奮闘の賜物として賞与を支給しよう」とい
う精神が、従業員側の立場からすると、素晴らしい経営者の姿勢だなと思う人も多いのではないでしょうか。

 

 


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