エンディングノートの登場
最近「終活」という言葉が流行っています。
高齢化社会を象徴するような言葉だと思います。
その終活の中で最も注目されている対策がエンディングノートではないでしょうか。
エンディングノートとは自身が亡くなったときの為に、自身の希望や財産の保管場所などを書き留めておくノートの事です。
あまり今まで家族に対して発信してこなかった方が、作成されるケースが多いと聴きます。
エンディングノート≠遺言書
このエンディングノートどこかで聴いたことのある制度の様な気がします。
そう。遺言書です。
しかしエンディングノートと遺言書は全くの別物です。
エンディングノートは遺言書の様に、法的な効力は持ちませんので、書いてある内容に相続人が従う必要はないのです。
しかし一方で書く側からすると遺言書より気軽に記入する事ができ、併せて残された方への思いも伝える事ができるいうメリットがあります。
亡くなった本人しか知らない情報を残された方が調べあげるのは、とても大変です。
そこでこのエンディングノートがあればその場所をすぐに見つけることが出来ます。
エンディングノートの作成
まず、使うノートについてですが、最近は書店や文具店でそのものが販売されているので、すぐに入手する事ができます。
しかし別にノートに拘る必要はありません。
大切なのは、書く内容と項目なので、ノートは何でもいいのです。
普段使っているノートと同じものでも構いません。
次に、書く内容・項目についてです。全体を大きく三つの内容に分けるとわかりやすいです。
人間関係
まず、基本情報項目として、自分の名前・生年月日・血液型・現住所・既往症をひとまとめにして書きます。
それ以外はご自身の今までのキャリアや親族・友人知人の名前や連絡先なども書いておくと良いでしょう。
そしてご自身の葬式に呼んで欲しい人なども記しておいてください。
財産
先ほども申し上げた通り、エンディングノートには法的効力がありませんので、「○○を誰に渡す」という内容ではなく、
どういった財産があるか、通帳などはどこに置いてあるか、など財産が確認できる場所などを中心に記載してください。
葬儀など
自分がどんな葬儀や埋葬方法を希望しているのか伝える事が目的です。
葬儀項目として、葬儀を実施するかしないか、業者や会場、葬儀費用、宗教・宗派、戒名・法名等の希望を詳しく書きます。
お墓項目として、埋葬方法、お墓がある場合はその場所、お墓にかける費用等の希望を書きます。
以上これらの三つの事項を記載しているものがエンディングノートとして一般的です。
そして追加でもう一つ。
もし、遺言書がある場合は内容ではなくそのこと自体については触れておいてください。
遺言書があることがわかるだけでも相続人の負担はかなり減ります。
遺言書は書きたくない、書くほどでもない、遺産分割で揉めることはないから書く必要が無い、と思っている方も、
まずはこのエンディングノートの作成をしてみてはいかがでしょうか。