お嫁さんも相続財産がもらえるかも!?

ニュースや情報番組などを見ていると度々耳にする、相続法改正という単語。
あまりご自身には関係ないという方も多いと思いますが、実は日常生活に大きく関係する可能性のある改正点もあるのです。

今回はその改正点のうち相続人以外の人が財産をもらうことが出来る「特別寄与分」という制度について解説します。

財産を相続出来る人とは?

改正の話の前に相続の基本知識の確認をしましょう。
相続とはある人が亡くなった際にその人の財産を特定の人が引き継ぐことを言います。
この特定の人が相続人です。
相続人となる人はルールで決められており、配偶者や子供、親、兄弟姉妹などが該当します。
逆に申し上げると、決められたルール以外の立場の人が相続人になることが出来ません。

もし相続人以外の人が財産を受け取ることが出来たとすれば、それは遺言書にその人の名前が書かれていたという場合です。
それ以外に相続人以外の人が亡くなった方の相続発生時に財産をもらうことは出来ません。

相続人以外は財産をもらうことが出来ない!?

このルールが時にトラブルの元になることがあります。

子供のいないA子さんはご主人のお父さんであるB男さんの認知症の介護を日々行っていました。
ある日、A子さんのご主人が突然事故で亡くなってしまいました。

未亡人となったので、家を出ていこうとも考えたA子さんですが、B男さんが気になり結局B男さんの看病をし続けました。そして数年後B男さんが亡くなりました。

B男さんの相続人は遠方に住んでいてほとんど顔を出さなかった長女C美さん1人でした。
B男さんは遺言書も書いておらず、本来相続人となる予定だったA子さんのご主人も既に他界しており、しかもA子さん夫婦には子供もいなかったため、
結局C美さんがB男さんの財産を全て相続することになりました。

これに対して怒りがこみ上げたA子さんはC美さんに「一度も看病に来なかったのに、全部相続するのはおかしい!」と主張をしましたが、C美さんに「相続人でないA子さんに渡す理由がない」とあっさり断られてしまいます。この場合、A子さんは本当に財産を全く受け取ることが出来ないのでしょうか?

…残念ながら、現行の相続法ではC美さんの主張が正しいのです。結局看病をしても相続人でないA子さんには財産を相続する権利はないのです。
もしA子さんが相続人であれば特別な貢献を亡くなった人に対して行ったと認められた場合には、寄与分として財産を多めに相続出来るのですが、相続人ではないと出来ません。

弱い立場の人の救済措置となった改正案

しかし今回の相続法改正によりA子さんの救済措置が設けられました。
今までは亡くなった人の療養看護などをしていた相続人対してのみ認められていた寄与分が相続人以外にも認められることになったのです。

これによりA子さんもC美さんに自身の寄与分を主張することが出来、財産の一部を承継することが可能となりました。

この様に今回の相続法改正では、相続人以外の方にも配慮された改正案が創設されたのです。


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