調理師からの転身 子育てしながらFPとして活躍中

調理師の仕事を経て、出産を機に30代で保険の営業から金融の仕事を始めた石橋夏実さん。今はファイナンシャルプランナーとして、セミナー講師などでご活躍です。これまでのお仕事の変遷や、子育てと両立させる仕事としてのFPという職について伺いました。

調理師として全国で腕をふるって12年。出産を機に金融の世界へ

―もともとは調理師をやられていたそうですね。

そうなんです。高校を卒業後、調理師学校に進んで調理師免許を取得しました。以来、12年ほどの間は「流れ板」といいますか、包丁1本で全国どこでも働ける強みを活かして、
東京、沖縄、北海道などを転々とし、オーストラリアに行っていた時期もあります。その土地土地で地場の味に出会い、調理技術も吸収してきました。同業の夫との出会いは、箱根で仕事をしていた時です。

30歳を過ぎて子どもが生まれ、生活が一変していましたが、夫が東京で店を出したいというのでさらに急展開となりました。ただ、東京での子育てはイメージが湧かなくて、サーフィンが好きだったので馴染みのある茅ヶ崎で暮らすことにしたんです。開業や引越しで貯金を使い果たしたので、以前からの共働きに戻ろうとしましたが、飲食業だと土日や平日夜の勤務が避けられず、その時間では子どもも預けられませんから、私としては初めて、別の仕事を探すことになったのです。それで始めたのが、保険の営業でした。

―30歳を過ぎて金融の世界へ、ですね。

遅咲きですが、女性が子育てをしながらできる仕事というと、食品や化粧品販売の営業職といったものが選択肢です。ですが、私自身が年齢的にもちょうど保険というものに興味が出てきていたのもあって、決めました。エリア内の会社という会社に飛び込み営業の毎日でしたが、苦ではありませんでしたね。どんなに断られ続けても、100件も当たれば1~2件は話を聞いてくださるものですし、それ以上にやはり保険の話、お金の話というものの大切さが自分でも理解できたのが大きかったです。

そのうちに、当時の私の立場では保険商品だけ、しかも自社取り扱いのものしかご案内できないのが気になり始めました。もっといろいろな金融商品の中から、そのお客様に最適なものをお勧めしたい。そう思って調べていて、FPという仕事を知ったのです。それで、独立系FP会社であるエル・ディー・ラボに移り、今に至ります。

お金のことを考え始める入り口に。セミナーでわかりやすく説明を

―現在はどういう風にお仕事をされているのですか?

会社自体はライフデザインアドバイスということで、FPや証券外務員、相続診断士、医院開業コンサルタント、住宅ローンアドバイザーなどの資格を持つコンサルタントがご相談に乗らせていただいています。

また、弁護士、税理士などとも業務提携しており、幅広くかつ専門的な対応が可能です。私自身は、まだ子育て中ですので時短勤務で10時から16時までを就業時間として、主にマネーセミナーの講師をして、その後にご希望の方に個別相談対応を行っています。セミナーは2ヵ月に一度くらいの頻度です。参加者の方々に合わせてお話を展開できるよう、定員は8~10人程度に絞っています。大人数になると表面的な話で終わりやすいですし、せっかくお出でいただくのにそれではもったいないですよね。内容的には初歩的なものが多いので、お金に関心を持ち始めた方にとっての入り口になるような感じです。さらに興味がある方に、個別にご相談対応などをしています。

そのほか、当社のホームページを通じてメールでのお問い合わせなどにも対応し、ご相談に乗らせていただいています。


セミナー講師の様子

 

夫の協力やお客様との時間調整で、子育てと両立しやすいFPの仕事

―今も子育て中でいらっしゃいますが、お仕事と両立させる上での工夫は?

こうしたセミナーを平日夜間に実施する場合も多いですが、事前にスケジュールが分かっていれば、夫の協力がありますので大丈夫なんです。朝のうちにその日の晩御飯を作っておいて、子どもに食べさせてもらっています。我が家は夫も子育てに積極的で、保育園のお迎えやお風呂も手伝ってくれます。

実は私自身が子どもの頃、母が看護師として働いていまして、夜の8時9時に仕事を終えて帰ってくるのを普通に見て育ちましたから、私が遅くなることでの子どもへの罪悪感はあまりないんです。もちろん、夫が見ていてくれているのは大きいですね。

また、FPの仕事はお客様とのアポイントが核になりますが、その分時間調整は可能ですし、業界的にも子育てへの理解がありますので、そのおかげでのやりやすさも感じます。不安なのはこれからで、いわゆる「小1の壁」問題ですね。小学校に入ると最初は授業が午前中だけで、お昼を食べたら帰ってくるんです。授業は徐々に2時くらいまでに延びてはいきますが、預け先がまた難しくて、保育園では夜の7時8時くらいまで預かってくれますが、小学生になると学童保育の扱いになり、5時6時くらいまでなのです。時短勤務を続けて乗り切ろうと思っていますが、学校行事も増えますから、一般的にお母さん方が苦労される時期なんですね。

―お休みはどのように過ごされていますか?

子どもが生まれる前はサーフィンやスノーボードが好きで、全国を飛び回っていましたが、不思議なもので今、海の近くに住むようになってからはあまり行っていません。それでも、子どもが興味を持ち始めているので、次のシーズンには連れていってみたいですね。

今、趣味といえるのは料理です。これも、調理師の仕事をしていた時には、家でまで料理はしたくなかったのですが、逆に今では格好のストレス発散法です。休みの日には朝から煮込み料理を作ったりしているんですよ。

調理の専門学校時代の様子(中央)

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石橋夏実(いしばしなつみ)さんのプロフィール

高校卒業後、調理師学校に進み、アルバイトを含め12年ほど調理師として飲食業に従事。
結婚・出産を機に始めた保険営業の仕事で金融の世界に。
2014年より独立型ファイナンシャル・プランナー(FP)として株式会社エル・ディー・ラボに所属。

石橋夏実さんへの問い合わせはこちら


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