「貯蓄があれば保険は不要」は本当なのか?
最近、保険について、よくこんな話をお聞きになりませんか?
「民間保険会社の医療保険やがん保険は、営利を目的としているものなので、全体でみると保険会社側の方が儲かる。
だから、ある程度の貯蓄があるひとは保険に入らないほうが良い。」といった話です。
投資またはギャンブルでは「期待値」という言葉が使われており、”1円投資したら理論上いくらが投資家に還元されるか”というこの値が、1を超えない限り、投資に値しないと言われています。
さらに、実際の医療費においては、公的医療保険制度で高額療養費制度があるので上限はほぼ決っていますから、ここまで聞くと、わざわざ医療保険という加入する必要はないような気がしてきます。
生命保険は、「当たれば、保険金が支払われる宝くじ」なのか?
もし、毎月保険料を支払っているのであれば、「病気になって手術や入院した」、「病気や怪我で死亡した」、「がんと診断された」などの条件が、宝くじで言う「当たり」ということになり、これまでに支払ってきたものの何倍もの額が払い戻されます。
もし、保険に加入した直後に病気やケガで入院することになった方がいらっしゃれば、支払保険料はごく僅かで、給付金が得られるわけですから、これが最も得するパターンです。
一方、契約全体で見れば、当然、契約者側が負けるわけですから、仕組みは宝くじと同じように感じます。
ギャンブルと違うのは、「人生は一度きり」ということ
しかし、ギャンブルと保険が大きく違うのは、皆さんの人生は一度きりということです。
病気で働けなくなった時に、保険で入院費用がまかなえ、また収入の補てんがされれば、十分に回復してから仕事に復帰することができるかもしれません。
いくら貯金があったとしても、それを取り崩して生活することになれば、焦りが生じますし、精神的な負担も大きくなります。
生活のために働かなければならない、生きていくために仕方なく働くという事ではなく、自分の好きな仕事、やりたいことを続けるためには、時間稼ぎが必要です。
何度でも人生をやり直せるのであれば、リセットして次のゲームに進めますが、一度きりの人生で病に倒れた時には、不安なく穏やかな気持ちで体制を立て直す時間が必要なのです。
“不安を感じない貯金の額”は人それぞれですが、病気で困ったタイミングで得られるお金は金額以上に尊いということになるなら、医療保険は有効なのではないでしょうか。