書籍が話題になっているように、
巷ではよく「中学受験は親が9割」「中学受験は親の受験」などと言われています。
これを聞くと、小学生の子供を持つ親御さんは、
「親が9割も占めているの?」となんとなく焦る気持ちになってしまうのではないでしょうか。
果たしてこれは本当なのか。
今回は子供を進学塾に通わせる前提のもと、
親はどのくらい子供の中学受験に関わる必要があるのか、
考えていきたいと思います。
子供に合った塾選び
子供が中学受験をするとなったら、
多くの人が進学塾に通わせることになるでしょう。
そこで最初の関門となるのが塾選びだと思います。
塾を選ぶ上で重要な判断基準は、
その塾が子供の性格や特性に合っているかどうかです。
例えば、大手の塾ではレベル別にクラスが分かれており、
毎回テストを行ってクラスの入れ替えを行っていることが多いです。
そのため、頑張って良い成績を残せば上に上がることができるので、
競争が好きな子供には合っていると言えます。
一方、自分のペースに合わせてのびのびとやりたい子供には、
小規模な塾や個別指導の塾が合っていると言えるでしょう。
また、通いやすさや適度な宿題の量など、
子供にとって続けられる環境であることが大切です。
具体的に言うと、同じ小学校や近所の友だちと一緒の塾に通えば、
放課後に友だちと塾に行くことが習慣化したり、
みんながいるから頑張ろうという気持ちが芽生えます。
こういったことが要因で続けられるというケースもあります。
目に見える実績は確かに安心できる材料かもしれませんが、
やはり勉強するのは子供なので、
子供ができるだけストレスなく続けられる、
一人一人のことをよく考えてくれる塾を選ぶというのも大切なポイントだと思います。
「宿題をちゃんとやる」習慣をつけさせる
学校でも塾でも、そこで習ったことを定着させるにはきちんと振り返る作業が必要です。
そのため、宿題による復習は実力アップのために重要であると言えます。
小学生にはまだ自主的に復習することは難しいので、
「これとこれを次までにやって来なさい」というように、
やるべきものが明確になっていると取り組みやすく効率も上がります。
こういった授業後のケアもしっかりと考えてくれる塾を選ぶことも、また重要です。
親の働きかけとしては、
普段から子供には何事も途中で投げ出さないように注意してあげることで、
勉強面でもその習慣が活きてくると思います。
親は「家でのサポート」に徹する
高校受験や大学受験とは違い、
やはり中学受験にはノウハウがあるので、
信頼できる塾を見つけたら受験勉強は塾に任せて、
親は家でのサポートに徹することが肝要であると言えます。
子供は外で頑張ってきた分、
家では家族にその頑張りを認めてもらいたいと思っています。
ただでさえ放課後遊びたいところを我慢して塾に行って帰ってきたのに、
家でも口うるさく勉強の話をされたら子供はうんざりしてしまいます。
子供の頑張りを褒めて、
家では子供にリラックスさせてあげることが親の役割であると思います。
家では、子供にあれこれと「口を出す」のではなく、
「話を聞いてあげる」姿勢でいることが大切です。
親が子供に対してつい口うるさくなってしまう要因として、
親と子供の熱量の不一致が挙げられます。
子供に受験への意欲がないのに親ばっかりが張り切っていると、
親は子供のやる気のなさに対してつい口を出したくなるものです。
親子間の受験に対する熱量の差が少ない方が関係性も良好なものになると思います。
また、前提として、中学受験は失敗しても大丈夫です。
たとえ志望校に受からなくても、
この先挽回するチャンスはいくらでもあります。
その点で言えば、中学受験に失敗はないとも言えます。
受験という一つの大きな山場を超えただけでも、
子供の今後にとって大きな財産になります。
親があまり難しく考えず、
途中で辞めさせてもいいくらいにどっしりと構えていた方が、
子供も安心して日々を送ることができます。
「中学受験は子供の頑張り9割」
ここまで中学受験について述べてきて、
果たして「中学受験は親が9割」なのかと考えると、
それは違うと思います。
確かに、まだ受験勉強の経験がない子供に対して、
親がレールを敷いてあげることは大切です。
しかし、実際に勉強して受験するのは子供です。
親はあくまでも子供が頑張るのを支える立場です。
子供が頑張れる環境をつくり、サポートする。
これが親の役目だと思います。
「中学受験は親の受験」、そんなことはありません。
中学受験は、親が頑張るのではなく、
子供の頑張りを親が応援するものです。
そういった「頑張るのは誰か」という意味で、
仮に割合を出すとしたら、
「中学受験は子供が9割」と言えるのではないでしょうか。