摂食障害で死の一歩手前まで そこで感じたライフプランの重要性 (後編)

摂食障害で苦しんだ中学・高校時代から、鈴木その子さんの助けを得て、
人生を長いスパンで見て計画性を持って生きていくことの大切さを身をもって痛感した虫鹿恭正(むしかやすまさ)さん。
さらにお金についての知識や経験も加わって、FPとしてのキャリアを歩み始めます。

―鈴木園子さんからはどのような教えがあったのですか?

人生哲学ですね。
幸せのベースは、健康はもちろん、お金も大切だということ。
私がFPという職業を選んだのは、鈴木その子さんが食を通じて人々を幸せにされていたところから、
自分はお金を通じてそうしようと思ったからなんです。

当時、勧められて読んだ本に、本多静六さんの『私の財産告白』があります。
幕末に、貧農に生まれながら苦学して東大教授になり、
「月給4分の1天引き貯金」を複利で資産運用して億万長者となった方です。
日比谷公園や明治神宮の設立という一大事業に関わった方ですが、鈴木その子さんと同じように、
お金儲けが目的ではなく、天命を信じる生き方を貫かれています。

この本や、同時期に触れた、今のみずほフィナンシャルグループの礎を築いた元祖銀行王の、
安田善次郎さんについての本が、私の考え方のベースとなっています。

コーチング技術も駆使して、人を元気にポジティブに

―実際にFPになられたのは、いつ頃ですか?

2008年ですね。
その頃、複利の資産運用をベースに自分でも資金を貯め、
江戸川区葛西に築5年の中古マンションを購入したのです。
4180万で購入、共働きで数年でローンを完済しました。
私は自身の経験を踏まえてお話することが多いので、
この速やかなローン完済も自信になっていますね。

それ以前、2005年からはコーチングの仕事をしていました。
コーチングとは、対話によって相手の自己実現や目標達成を図る人材開発技法ですが、
私が鈴木その子さんにしていただいたのも、後から思えばまさにコーチングでした。
彼女は天性のコーチだったのでしょう。

私もこの技術で人を元気に、ポジティブにしてあげたいと思いました。
そうした思いが融合して、
お金を通じて人生設計をお手伝いするFPの仕事が天職だと思うに至ったわけです。

私自身、中学・高校時代に拒食症で苦しんだ体験があり、そこから救ってくださったのが、
食べてやせることを提唱されていた料理研究家の鈴木その子さんでした。
「美白の女王」としてバラエティ番組でも活躍された鈴木その子さんは、
実は息子さんを拒食症で亡くされていて、食を通じて人々を幸せにしようという方でした。
自分に当てはめて考えたときに、
お金を通じて人生設計をお手伝いするFPの仕事が天職だと思ったのです。

 

 

―FPとしてのやりがいは、どこに感じますか?

私が陥った摂食障害まで重い悩みでなくても、
何となく人生に不安を感じ、老後を思いやる人は多いと思います。
そういう方たちに、実践型で、私自身の成功体験から一般の方でも実行できるレベルに落とし込んでアドバイスするのが私のFPとしてのスタイルです。
その情報提供をした時に、スイッチが入られる瞬間というのが感じられると、
これはFP冥利に尽きますね。

物事には表裏や陰陽があるものです。
今、資産や収入が「これしかない」と本人が思っていてはダメで、
プラスの見方ができるようになってもらいたいんです。
そこは、普通のFPと異なる点かもしれませんね。

キャリアコンサルティング的な色合いもありますが、
ご自身の能力の活かし方やポジション、キャリアの描き方などを示唆すると、
一気に未来に希望を見出せる方が少なくありません。
泣き出す方もおられます。長所進展、短所は是正せずで、
一貫してその方の強みを伸ばしましょうとお伝えしていくのが私のモットーです。

合気道の稽古時の様子(中央右)

虫鹿さんの「キャリア(前編)」はこちら
虫鹿さんの「マネー」に関する記事はこちら

虫鹿恭正(むしかやすまさ)さんのプロフィール

愛知県一宮市生まれ。江戸川区在住。大学卒業後、東証一部上場の食品メーカーにて営業職を経験。
現在は大手乗合代理店株式会社グッドウインに所属し、FPとして活動中。
年間300世帯もの相談業務の傍ら、
人生の試練にある人々のV字回復をサポートするライフコーチとしても活動。
人生の夢実現を強く後押しする熱い姿勢が好評を博している。
ファイナンシャルプランナー(AFP 日本FP協会認定)、生涯学習開発財団認定コーチ、日本IST協会公認IAT問題解決学講師。

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