自宅が火災にあう確率は低い! 火災保険には入らなくて良い?

マイホームは、多くの方にとって人生で一番大きな買い物です。
もしもの損害リスクにはしっかり保険で対応しておきたいものです。
では、その自宅の火災は、どのくらいの確率で遭遇するのでしょうか。
データを調べてみました。

・住宅火災(2013年1~12月) 1万3621件(消防庁より)
・世帯数(13年1月1日現在) 5554万9282世帯(総務省統計局より)

上記のデータから、住宅火災は1年間に4078件に1件発生し、その発生確率はなんと0.024%となりました。
単純計算すると、自宅が火災にあうのは4,000年に一度くらいとなりますから、ここまで低いのであれば、火災保険はいらないような気がしてきます。

住宅ローンの利用には火災保険加入が条件?!

ところが、住宅ローンを利用するには、火災保険の加入義務がある場合がほとんどです。
銀行によっては、住宅ローン契約の際に銀行で取り扱っている住宅ローン専用の火災保険の案内をされることもよくあります。
住宅購入時にはローン以外にもさまざまな手続きがあり、流れで契約してしまうことも多いのですが、必ずしも融資を受ける銀行で加入する必要はありませんので気を付けましょう。
火災についてだけ考えれば、ほとんど事故が起こらないわけですから、まずはご自身の家に必要な補償を把握し、保険料を比較検討するのがいいでしょう。

火災保険の比較ポイント

では、どうやって比較検討すればよいのでしょうか。
火災保険というと、文字通り火災に対する補償だけをイメージしますが、実はその他にも「水災」「落雷」「破裂・爆発」「風災・ひょう災・雪災」「物体の落下・飛来・衝突」「水漏れ」「騒じょう」「盗難」「破損・汚損」の損害も補償対象とする商品が一般的です。
火災に比べて発生確率が高い事故もありますから、安心のために、ご自身の住居に合った合理的な補償を選択するのがよいでしょう。
そして、補償の範囲を決めたら、次に確認したいのは補償の方法です。
例えば、水災や風災などの補償は、全損の状態となっても損害額の全額が支払われないものがあります。
また、免責金額(自己負担額) の設定ができ、それにより保険料が割安になるケースもあります。

地震保険は加入すべきか

住宅を購入するときに、最も加入を迷うのは地震保険ではないでしょうか。
その理由は、思いのほか保険料が高いからです。
地震による火災や倒壊のほか、地震によりひき起こされる津波による損害は、地震保険に加入しておかないと補償されないのです。
では、損害保険会社出身の筆者はどうしているかというと、しっかり加入しています。
実は、住宅の地震保険は政府と損害保険会社が共同で運営する保険であり、住居系物件しか加入できないこととなっています。
民間の保険会社でオフィスや店舗物件で地震保険に加入しようとすると、とんでもない高額な保険料となるか、加入を断られることが多いのです。
つまり、地震保険は、民間保険会社では引き受けられないほど大きなリスクがあり、本来であれば補償できないものを、国の仕組みにより現状の精度で契約することができるのです。
こう考えると、割高な保険料も少し安く感じませんでしょうか?

ちなみに、2014年の全国の火災保険の世帯加入率は50%弱、地震保険の世帯加入率は28.8%と、なっており、まだまだ低い状況です。

しかし、もしこれから住宅ローンを組む場合や、まだローンが残っている場合には、可能な限り地震保険まで加入しておくことをお勧めしておきます。

 


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