住宅購入の物件探しは、いきなり始めず まずは家計をみて、月々のローン可能額を決めてから

10年間の不動産営業経験で、賃貸物件や住宅購入の裏の裏まで知り尽くし、今はFPとして保険を中心にライフプランニングを行っている朝倉圭吾さん。必要に応じて住宅購入支援もできるのが、相談者に好評です。後編では、住まいにまつわるアドバイスやエピソードを伺います。

キャッシュフローを示し、住宅ローンが組めるかを決めて物件探しへ

―住宅購入を考えるお客様の場合、どのようなご相談がありますか?

ご自分たちが実際にローンを払っていけるだろうか、また、どれくらいの金額のローンが組めるのか、といったことが多いですね。家計や資産によって、ローンに見合った額が算出できますし、私の場合は、そのご予算で購入可能な物件のご紹介をすることもできます。

 

―アドバイスはどのようにされるのでしょう?

お客様のキャッシュフローを見える化して、まずは安心いただくことです。月次や年次の収支をグラフや図にして、イメージしていただきやすく提示します。それで、住宅ローンについても考えやすくなります。月々支払っていける金額を出してから住宅ローンを組む、という順番は大事です。不動産選びはその後、ですね。物件が先にイメージされてしまっていると、無理なローンを組むことになりかねませんから。

また、住宅ローンというのは35年で組む方が多いですが、今は最長で80歳までのローン設定が可能です。そうした情報も提供しながら、それでも老後までローン返済が課される生活はご苦労でしょうから、購入段階から計画して、繰り上げ返済などを効率的に組み込み、定年時には完済できるようなプランを考えます。

 

―住宅購入の予定がなくても、ご相談して大丈夫ですか?

もちろんです(笑)。先日も知人の紹介で、今加入している保険を診断してもらいたいという相談を受けました。私は、保険のお話の際、必ずライフプランのお話もしているのですが、そうすると、住まいについてのお話も当然のように出てくるんですね。今は賃貸か持ち家か、家賃やローン支払など住宅費はどのくらいか、などです。そこで、たとえば賃貸であれば、今後ずっと家賃がかかっていくことになりますので、将来的にご購入の考えがあるかどうかも伺います。それでご購入に関心があれば、私の場合は、こういうエリアならこういう物件があって・・・という話をその場でできますので、具体的に考えていただきやすいかもしれません。そうやって住宅購入のサポートをさせていただければよいですね。

 

住宅購入や転居の環境変化が、子宝のきっかけになるジンクスも

―ご自身のお住まいは、どうされているのですか?

もともとは賃貸で、田園都市線沿線に妻と暮らしていましたが、5年前に相模原に一戸建てを購入しました。妻の実家から車で5分、自転車で10分と近いのです。当時まだ子どもはいませんでしたが、将来的にも実家が近いのはよいだろうと考えたのです。

実際、子どもは欲しいねと夫婦で話をしていたところ、住宅購入に踏み切った途端に、子宝に恵まれたのです。今は、5歳と1歳、2人の子育て中。上の男の子は最近、戦隊モノにハマっていて、家の中にいても見えない敵と闘っています(笑)。下の子も立ち始めたところで外出させてあげたいので、休みの度にファミレスやショッピングセンターめぐりです。妻も子どもも一緒に気兼ねせず楽しめるというのが、休日の過ごし方では大切です。

 

―お子さんができるというのは、大きな変化なのですね。

実は、お子さんができずに悩まれているご夫婦が、住宅購入や引越しなどで住まいの環境を変えたのをきっかけにお子さんに恵まれた例は、けっこうあるものです。そもそも、不妊治療は特に女性にとって辛く、ネガティブな気持ちになりがちでしょう。夫として支えにならねばと思っても、男性にはできることが限られます。家を買うことが少しでもリフレッシュになればよいですよね。

 

戸建て・マンション、それぞれの利点弱点の傾向もアドバイス

―住宅購入について、何かアドバイスをいただけますか?

物件探しには、ハウスメーカーに相談したり、町の不動産業者に相談したりがあるかと思います。一概には言えませんが傾向として、ハウスメーカーだとそのブランドで建てていただくのが前提となり、ご予算やエリアよりは建物先行で話が進みがちでしょう。その結果、予算に見合った土地が希望のエリアでは見つけられず、場所を考え直すことになってしまうかもしれません。いっぽう、町の不動産業者は、不動産を売る専門家ではありますが、家計やキャッシュフローのことには関わってこられません。そうした意味でも、物件に当たるのはライフプラン全体を見て、毎月の支払可能額を決めてからが良いのではないかと思っています。

 

―一戸建てとマンションでは、どちらがよいでしょうか?

私自身は、住宅ローンを組むのであれば、土地もある点で一戸建てがいいと思ってそうしました。子どもたちに残してあげたい気持ちも強いですね。上物の家は古くなっても、土地は残せると考えて、早い段階で購入を決めました。

結局は、その方が何を優先されるかによるでしょう。相談されれば、それぞれのメリット・デメリットはお話しています。マンションであれば、比較的駅に近い物件が手に入りやすいので、売却もしやすかったりするメリットがあります。また、管理費は必要でも自分でメンテナンスを行わずに済む利点もあります。実際、最近は高齢のご夫婦が一戸建てからマンションに住み替えられる例が多いですね。

そうした傾向などもお話できますので、いろいろとご相談いただければと思います。

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朝倉圭吾(あさくらけいご)さんのプロフィール

高校卒業後、飲食業を経て、2005年、不動産仲介会社に入社。10年間営業および住宅販売に従事した後、ダブル・キャリアを志して、2年間保険の仕事を学ぶ。2017年、ファイナンシャルアライアンス株式会社に入社。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。不動産と保険、両方の知識と経験に基づくライフプランニングが好評を博している。

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