子どもの学力を伸ばす読書のススメ

最近、世間では日本人、とりわけ若者の読書離れ・活字離れが取り沙汰されています。
また、スマートフォンや電子書籍の普及とともに紙に印刷された文字を見る機会が減ってきているのも実情です。
しかし、このような実情は現代の日本人全体の統計で見られるものであり、
小学校〜高校では「朝読書」が実施されていることが多く、
小中高生の読書体験はそれなりにあるものと言えます。
他にも、小学校では長期休みの宿題に読書感想文があったりして、
学校側が子供の読書を奨励している現状です。

そんな中、読書をすることで子どもの学力に影響は出るのか、
読書と国語の成績の関係について考えていきたいと思います。

 

「慣れ」のための読書

まず、初歩的な段階においては、
読書をすることで長い文章を読むことに慣れることができるという利点があります。
小学生のうちは、国語の問題で長い文章を読むだけでも疲れてしまって集中力が保たない子もいるでしょう。
問題を重ねていくにつれてそのような苦労は解消されるはずですが、
対策としては読書の習慣をつけることで長い文章への耐性がつき、
国語の問題を解く際に集中して取り組むことができると考えられます。

中学生・高校生の段階においては、ただ好きな本を読むだけではなく、
国語の問題の変化を意識することで、それに対して読書の面からアプローチすることができます。
国語の問題では、中学・高校になるにつれて小説の問題ではなく評論文の問題が増えていきます。
ですから、日々の読書で小説ばかりではなく新書なども読み、
評論文の文体に慣れておくことで国語の問題がスムーズに読めるようになるでしょう。

 

語彙力・漢字能力が上がる

また、読書を通して語彙力や漢字能力を上げることができます。
当たり前ですが、漢字ドリルなどとは違って本では一冊の中の文章中に単語が出てくるので、
段落や前後の文章との関係から、その単語の使い方や意味合いを知ることができます。
そういった、用法を知るという面でも読書は効果を表すと言えます。
語彙力や漢字能力が上がれば自然と国語の成績も上がるでしょう。

 

国語以外の科目への波及性

読書をする上で、幅広いジャンルの本を読むことで多方面の知識を身につけることができます。
その結果、読書が国語だけではなく他の教科にも良い影響を与えます。
例えば英語です。
英語の長文読解では、新書でよく書かれているような時事的な内容のものが出てきたりします。
その際にすでに内容を知っていると、
意味が分からない単語や文章があっても推測してカバーすることができます。
自分の知っていることが問題に出てくると、それだけで自信につながりますし、問題を解く楽しさを味わうことができます。

量より質の読書

ここまで、読書の利点を述べてきましたが、読書をする上で注意するべきことがあります。
それは、国語の成績アップのためには量ではなく質を重視した読書をする必要があるということです。
国語の読解問題は内容理解の問題が主です。
そのため、読書の際に早くその本を読み終わることを目指すのではなく、
その本をどれだけ理解して読むかが大切なポイントになります。
ですから、速読には意味がありません。
速読は内容理解に必ず不足があるからです。
問題数が多い試験などでは速読が必要になってきますが、
速読は問題を解く経験を重ねて読むことに慣れていくうちに、
自然と早く読めるようになっていく必要があるもので、
日々の読書で速読するメリットはありません。

どれだけ多くの量の本を読むかではなく、
どれだけ深く内容を理解して読むかを意識して読書をしてみてほしいです。
そういった意味では、あまり内容を理解していない読み方で読書量を増やしても国語の成績をあげることには繋がらないと思います。
やみくもに読書量を増やせばいいというわけではありません。
国語の成績を上げるには、本の内容を理解して読むことが不可欠であると言えます。

 

「楽しい」と思える読書を

読書は国語の成績に良い影響を与えると言えます。
ですが、そもそも読書を苦痛に感じる人も多いでしょう。
いやいや読んでいても内容は頭に入りづらいので効果的ではありません。
できれば、読書は得られるものが多くて楽しいと思って読んでほしいです。
そう思えるようになるきっかけは色々あると思います。
親や友達に勧められて読んでみたら面白かったとか、
読んだ本に出てきた漢字が国語の問題に出てきて嬉しかったなど、
ほんの少しの成功体験がまた本を読みたいという思いに繋がると思います。
最初は苦しくても、騙されたと思って読んでみてください。
必ず視野が広がると思います。

 


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