二世帯住宅は素晴らしい!?

待機児童問題の解決方法としての二世帯住宅

昨今話題になっている社会問題は様々ですが、20~30代の子育て世代では待機児童問題が最も深刻だと思われます。特に都市部にお住まいの方で共働きの世帯は頭を抱える問題です。

もちろんそれを避けて通る方法もあります。例えば、夫婦のうちどちらかが仕事を辞めて、子育てをするということや親に預けるという方法などです。前者の場合そもそも働くことを前提で夫婦共同で家を購入してしまっているなどの生活設計をしている場合には大変厳しいです。後者の場合は近くに親が住んでいるか、親と同居している場合には可能です。

30年くらい前までは3世帯が同じ屋根の下で住むのは、一般的でしたが、最近は親と同居している世帯の方が珍しいです。しかも同居を拒むのは子供側だけなく、親側もということも多いらしく、時代の変化を感じざるを得ません。

その様な背景で、最近また一段と注目されているのが、二世帯住宅です。二世帯住宅というと、結局は毎日顔を合わせるので、気を遣ってしまいストレスが溜まると考えてしまいがちですが、最近の二世帯住宅はその部分に配慮しており、玄関、キッチン、浴槽など全てが各世帯専用で分けられています。

つまり、ほとんどマンションの上下階に住んでいることと同じ仕様になっています。このような状況であれば、おじいちゃんとおばあちゃんに孫を預けて、奥様は無事に社会復帰が出来ます。

相続対策としての二世帯住宅

さらに相続税対策としても二世帯住宅は有効です。親が保有している実家の土地を相続する際には相続人が要件を満たしていると土地の評価額を100坪まで8割下げてくれる小規模宅地の特例という制度が利用あります。しかし子供がマイホームを持っていると利用出来ないのです。

これが親の土地の上に子供が二世帯住宅を建てた場合、子供はマイホームを持っていることになりますが、親と同居しているとみなされて小規模宅地の特例が利用出来るのです。ただし、1階は親名義、2階は子名義の様に建物を分けて登記をしてしまうと利用出来ません。もし親子で建てるのであれば、共有名義で建ててください。

二世帯住宅の落とし穴

このように見てゆくと、二世帯住宅は待機児童対策にも相続対策にもなる素晴らしい住まいだと思えますが、1つ落とし穴があります。それはもう少し先のことを想像するとわかります。二世帯住宅を親子で建てて、20年経過しました。そろそろ親御さんの相続が発生する時期になります。もし両親ともに亡くなってしまうと、1フロアが空いてしまうことになりますが、この際誰か利用するでしょうか。孫が住むことになれば良いんですが、住まないとなると、完全な空き家になります。そこで売却を検討した場合、果たして簡単に買手が見つかるでしょうか。二世帯住宅なのですから、もちろん二世帯住宅として購入する人を見つけなければなりません。そして二世帯住宅を検討している人は中古で買おうと思うのでしょうか。このように二世帯住宅の最大の懸念事項は将来売却をするときにあると考えられます。

従いまして、もし検討される方がいましたら、先のことまで十分に考えて頂きたく思います。


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