東京オリンピック・パラリンピックの計画とその後…

東京だけではない、東京オリンピック・パラリンピック

2月9日にいよいよ平昌オリンピックが開幕します。今回は冬季オリンピックということで、フィギュアスケートやジャンプスキーなどの競技で日本人のメダルが期待されています。そしてこのオリンピックが終了すると、夏冬合わせても次のオリンピックは東京オリンピックです。

東京オリンピック・パラリンピックについては、新国立競技場の件でかなり注目されていましたが、その後それほど大きな報道はありません。そこで2018年2月現在での決定事項を紹介したいと思います。

公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック協議大会組織委員会のHPによると、まず開催日程はオリンピックが2020年7月24日~8月9日、パラリンピックが2020年8月25日~9月6日です。そして開催種目はオリンピックが33競技で、会場は40カ所を利用します。パラリンピックは22競技で、会場は20カ所です。オリンピックの会場数が種目数よりも多いのは、種目によって会場が違う場合や、サッカーのように複数会場を利用する競技があるからです。

ここで注目したいところが会場の場所です。基本的にはもちろん東京がメインなのですが、スペースや時間の都合上やむを得ない事情がある競技については、東京以外の場所で開催される予定です。

例えば、ゴルフは霞が関カンツリー倶楽部(川越市)、テコンドー・レスリング・フェンシングは幕張メッセ、野球・ソフトボールは横浜スタジアムと福島あづま球場、セールングは江ノ島ヨットハーバー、自転車競技は伊豆ベロドローム、マウンテンバイクは伊豆マウンテンバイクコース、最後にサッカーは札幌ドームと宮城スタジアムと茨城カシマスタジアムと埼玉スタジアムそして横浜国際総合競技場という予定です。

正直、ゴルフや自転車競技などは都外で行う理由はわからなくもないですが、野球・ソフトボールについては、東京ドーム・神宮球場を使わずに東京以外で行う理由が良く分かりませんし、サッカーに至っては札幌や宮城も会場になる予定なので、もはや東京オリンピックとは言えないレベルです。きっと色々な事情があるのでしょう。

また、パラリンピックについても幕張メッセや陸上自衛隊朝霞訓練場、伊豆ベロドロームといった一部東京以外の会場で開催される予定です。

選手村は注目ポイント!

続いて選手村についてご紹介します。選手村は中央区晴海五丁目地内に設けられます。現在既に開発が進められており、次々と建物などが解体されています。元々清掃工場や埠頭がある場所なので、土地は広大です。2020年東京オリンピック・パラリンピック終了後は既に再開発案が決まっていて、15階建前後のマンション22棟と50階建超高層タワーマンションが2棟、商業施設が1棟建設され、さらに学校も開校する予定です。総戸数が6000戸なので、急激にこの晴海地区の人口が増えることになりそうです。(入居者がしっかり入ればですが…)

ただし、再開発については懸念事項があります。それは今まで特に交通アクセスを気にするような施設がなかったため、非常に不便な場所にあるのです。ちなみに最寄りの駅は都営大江戸線勝どき駅で、徒歩約25分です。これを解決するために臨海部からこの再開発地域を経由して都心方面を結ぶバス高速輸送システム(BRT)を計画しています。しかし、現状はBRTが走れる道路の開発目途が立っていないとのことです。これは築地を通る幹線道路の計画を都が変更したためだとされています。

もし、東京オリンピック・パラリンピックが終了して、マンションが沢山立ち並んだとしても、駅まで25分かかるという条件で果たしてどれくらいの人がここに住むのでしょうか。これだけの規模の開発ですから、日本経済や不動産市況においても大きなインパクトが出てくると思います。

東京オリンピック・パラリンピックだけでなく、その先のことについても少し気に留めて頂ければと思います。

(写真はイメージ)

 


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