ユニークな保険

細かいニーズも汲み取る少額短期保険

「少額短期保険」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
別の言い方でミニ保険とも言います。

一般的に生命保険も損害保険も大体が大手企業と呼ばれる保険会社が作った商品です。
小さい会社から保険に入ったという方もその小さい会社は代理店で、
結局は大手の保険会社の保険に加入しているというケースが多いと思います。

このように生命保険商品を作成する保険会社は会社規模もそれなりに大きくないと、
設立・運営できないのです。
具体的に申し上げると保険会社を設立するには資本金10億円が必要です。

そこで、2006年の保険業法改正時に新しいタイプの保険事業者として
少額短期保険事業者というものが認められました。
従来の保険会社の様な多額の資本金が必要なく、1000万円からスタートできるようになりました。
その結果、2017年10月現在で登録数は95事業者となっています。

しかし資本金が少なくても登録が認められている代わりに引き受けられる保険金額の上限は、
保険会社よりも低いです。
例えば、死亡保険金であれば300万円までですし、損害保険であれば1,000万円が一被保険者の上限です。
また保険期間も生命保険は1年、損害保険で2年が上限です。
さらに少額短期保険事業者は生命保険契約者保護機構の対象外ですので、
もし事業者が破綻しても契約者は保護されません。

少額短期保険のメリット

それでは少額短期保険のメリットを考えてみます。
注目されている理由の1つでもあるのですが、商品のユニーク性です。
中には通常の生命保険や損害保険では、
カバーできない部分を補完できる商品もあります。

例えば、
自転車盗難保険(盗難によって保険の目的に生じた盗取、損傷または汚損の損害が出た場合に補償)
レスキュー費用保険(日本国内での海を除く野外活動中に遭難事故に遭った際、捜索・救助に要した費用を補償)
糖尿病・歯周病保険(発症時期や悪化を問わず、合併症を含む糖尿病、歯周病による入院・手術・通院を保障)
婚礼参列者傷害保険(保険契約者が婚礼の主催者である場合、保険契約者が作成した被保険者名簿に名前のある人が急激かつ偶然な外来による事故での障害に対して保障)
不使用チケット補償保険(急な病気、けが、家族の入院、交通機関の遅延、突然の出張などでやむを得ずイベントの観覧・参加等ができなかった場合にチケット代金を補償)
というユニークな商品があります。

先ほどもお伝えしたように保険期間は短く、余計な保障(補償)内容が無い為、使い勝手が良いのが特長だと思います。

少額短期保険のデメリット

そんな少額短期保険のデメリットは、
まずは保険料控除がないことです。
生命保険と地震保険はある一定の金額まではその保険料を所得金額から減らすことが出来ます。
しかし少額短期保険にはそれがありません。

また、保険料が割安でないということもデメリットの1つです。
保険料自体は保障(補償)金額の上限が低いこともあり安いのですが、
それが相対的にみると割高の場合もあります。
基本的に少額短期保険は掛け捨てなので、高い保険料を掛けても、
何もなければ、お金は返ってこないので保険料は低い方がありがたいです。

このように加入しやすくユニークな商品性もある少額短期保険ですが、
加入するには当然お金が掛かりますので、ご自身でどれ位リスクを感じられるかを真剣に考えた上で、
検討をして下さい。


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