「リブラ」の登場

最近Facebookが「リブラ」という仮想通貨を運営することを発表した。
という話をみなさんも一度は耳にしたことがあると思います。
しかし、全くその分野の知識を持っていないという人も多いはずです。
そもそも「仮想通貨って何？」という方もいるでしょう。
今回はその基本的なところから解説します。

そもそも仮想通貨って？

今回のリブラの発表の前から既に話題となっている仮想通貨。一体どういうものなのでしょうか。
実は仮想通貨なんて呼んでいるのは、日本だけなのです。世界各国では暗号通貨と呼んでいます。
なぜ暗号通貨なのか、それは今までの流通経緯が全て暗号化されているからです。
つまりその暗号を解読すればその暗号通貨の取引履歴が全てわかることになっています。
従って、暗号通貨を利用することによりマネーロンダリングなどの犯罪を撲滅出来ると期待されているわけです。
そして取引がされる度に新しい履歴を暗号化されて追加されていきます。この仕組みをブロックチェーンと言います。
ビットコインなどはこの暗号通貨の一種であり、リブラもそれに該当します。

リブラのすごい点

それではなぜ、リブラは話題になっているのでしょうか。

すごい点①　予想利用者数

まずはその想定される利用者の数です。
先ほどもお伝えした通り、リブラはFacebookが運営しますので、そのリブラのやり取りはFacebookのメッセンジャーアプリで行う予定となっています。
Facebookの利用者は世界でなんと27億人いると言われているので、その人々が全員リブラを利用出来るということになります。
ちなみに世界には17億人もの人が自分の銀行口座を持っていないというデータもあるので、一気に銀行間の決済量を超える可能性があります。

すごい点②　価格の安定性

既存の暗号通貨は全てその資産性に裏付けがありませんでした。「今は日本円だとこれ位買えるよ」ということで、売買や投機の対象となっていました。つまり価値の実態が無いのです。だからこそ価格の乱高下が激しい状況が続いています。
一方でリブラは世界の通貨などに常に一定比率で交換できる仕組みを導入する予定です。
つまり世界の通貨の動きに連動することになるのです。これによりある程度、資産性が担保されます。

すごい点③　決済スピード

ビットコインが1秒間に７件しか取引できないのに対し、リブラは1秒間に1,000件ほど取引が出来る予定です。
これは桁違いにスピードが速くなっています。しかしクレジットカードのビザは1秒で6万5,000回の取引が出来る様なので、
さらなる向上を期待したいところです。

リブラの課題

運営スタートが2020年なので、今から挙げる課題もスタートした頃には解決している可能性もありますが、一応お伝えします。
最も指摘されているのがセキュリティーの問題です。今まで暗号通貨の盗難事件など何件も起って来たので、安心できるセキュリティーを持つことが出来るかがポイントです。
また個人情報についても問題視されています。これはリブラや暗号通貨というよりも、運営しているFacebookの信用度の問題です。
Facebookが個人情報を勝手に提供していた問題はまだ記憶に新しいと思います。

このように課題はあるのですが、このリブラがそれを解決して爆発的に普及をすれば、貨幣中心の経済活動自体が大きく変わる可能性があります。
我々の想像を超える速さで時代は変わるのかもしれません。